米への個人情報転送は無効、EU司法裁 米ネット大手に影響も
このニュースをシェア
【10月7日 AFP】欧州司法裁判所(European Court of Justice)は6日、欧州連合(EU)域内から米国への個人情報のデータ転送を認める欧米間の協定を無効とする判断を下した。これにより、米交流サイト(SNS)大手のフェイスブック(Facebook)など、インターネット関連の大手企業は、欧州で収集したユーザーの個人情報などを米国に転送できなくなる可能性が出てきた。
今回の判断は、オーストリア人の法科大学院生、マックス・シュレムス(Max Schrems)氏の訴えを受けて下されたもの。きっかけとなったのは、米国家安全保障局(NSA)元職員のエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者が米政府による大規模な情報収集活動を暴露した事件だ。シュレムス氏は、2000年に米政府とEUが結んだ「セーフハーバー(Safe Harbour)」と呼ばれる協定では、個人情報が適切に保護されていないとして訴えを起こしていた。
セーフハーバーは「無効」だとの判断を下した同裁判所は、フェイスブックの欧州本部があり、シュレムス氏が訴えを起こしたアイルランドの当局に対し、フェイスブックによるEU域内で収集した情報の米国への転送を即刻停止するべきかどうか判断するよう求めた。(c)AFP/Aurelie Mayembo with Danny Kemp in Brussels