【10月6日 AFP】ラグビー日本代表のFWコーチを務めるスティーブ・ボーズウィック(Steve Borthwick)氏は、同国の選手が成長しているのは、他のどのチームよりもタブレット端末「iPad(アイパッド)」でラグビーを研究しているからだと語っている。

 W杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)で、2度の優勝国である南アフリカを破る番狂わせを演じた日本代表を指導する元イングランド代表主将のボーズウィック氏は、選手たちの高さを補うためにハイテクを駆使していると明かした。

 ボーズウィック氏は、「われわれは、上背でも体格でも敵わない相手と、毎週のように対戦している」とすると、「毎試合それに打ち勝たなければならない中で、選手たちは本当によくやっている」とコメントした。

 35歳のボーズウィック氏は、11日の米国戦を控え「彼らの練習量はすさまじく、途方もないフィジカルをみせている」と驚いている。

「一つ明確なのは、われわれのドライブが脅威であると認められていることだ。相手は、それを阻止するために人海戦術を余儀なくされている」

 ボーズウィック氏はまた、日本が他国のラグビー選手からリスペクトされ、2019年のW杯(Rugby World Cup 2019)開催国に恥じないプレーを示す決意で英国に乗り込んできたと強調している。

 イングランドが優勝した2003年大会で、代表から外れる憂き目を見たボーズウィック氏は、「われわれが目指しているのは、誇れるラグビー日本代表チームを作り上げることだ」と語った。

「W杯での日本の歴史は暗い。それは(これまでのW杯での勝利は1991年大会のジンバブエ戦で記録した1勝のみという)ひどいものだった」

「選手たちは、自分たちが次世代の刺激的な存在になる責任を自覚している」

 昨年から日本で過ごしているボーズウィック氏は、厳しいフィジカルワークに加え、選手たちが準備に余念がないことを明かした。

「私の経験から、イングランドのような他の代表チームと比べても、日本代表はビデオ研究に熱心だ。選手たちは持っているiPadでいつも映像を見ており、その姿勢は高い評価に値する」

 南アフリカ戦で34-32の大金星をあげた後、日本はスコットランド戦では負けたものの、3日のサモア戦では26-5で完勝している。

 日本は、米国戦に勝てば初の決勝トーナメント進出の可能性が残っているが、プールB首位の南アフリカが米国戦で、同2位のスコットランドがサモア戦で、それぞれ崩れることが条件となる。

 ボーズウィック氏は、「米国は、力強くて非常にパワフルな選手がそろっている。今週末、われわれは全力で戦う必要がある」と締めくくった。(c)AFP