【AFP記者コラム】墓場と化したアレッポの街を撮り続けて
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【10月6日 AFP】(写真追加)シリア北部アレッポ(Aleppo)では、ほぼすべての公園が墓場と化した。もはやレストランも、気分転換を図れる娯楽も、幸せもここにはない。
1日に数回、政府軍の軍用機が頭上を飛んでいく音が聞こえる。安全な場所はない。毎日、街を歩いているときも、家にいるときも、モスクにいるときも、死の危険と隣り合わせだ。いつ何時、たる爆弾の犠牲になるか分からない。前の日に会って話した男性が死んだことを、翌日知ったこともある。
2011年、19歳だった私はアレッポ大学(University of Aleppo)で、コンピューターサイエンスを学んでいた。写真を撮ったことは一度もなかった。だが民衆蜂起が始まったとき、私はカメラを買い、現地メディアのために反体制派のデモを撮影し始めた。
私はデモの中で逮捕され、刑務所で1か月を過ごした。釈放されてからは、反体制派組織「自由シリア軍(Free Syrian Army、FSA)」が支配していたアレッポ市内の地区で「アレッポ・メディアセンター(Aleppo Media Centre、AMC)のために写真を撮るようになった。2014年、友人に紹介されたAFPが私の写真を買うようになった。
最近、私はフジャイラ国際写真コンテスト(FIPCOM)で賞を受賞した。2014年6月3日、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領が90%近い得票率で再選された、大統領選の日に撮った写真だ【1枚目】。アレッポ市内の政権側支配地域では人々が投票に出かけたが、目と鼻の先の反体制派側の支配地域では戦闘が続いていた。
近くで爆発が起きたとき、私は車の中にいた。目の前で、破壊されたモスクの埃の中から、この若い男性が妹を抱えてレスキュー隊と一緒にトラックのほうに走ってくるのが見えた。少女は重傷を負ったか、もしかすると死んでいるように見えた。それから2人がどうなったかは分からない。