国境なき医師団、病院爆撃は「戦争犯罪」 アフガン都市から撤収
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【10月5日 AFP】アフガニスタン北部クンドゥズ(Kunduz)で、国際医療支援団体「国境なき医師団(Medecins Sans Frontieres、MSF)」の病院が米軍の空爆とみられる爆撃を受けた問題で、MSFは4日、同市での活動を停止したことを明らかにし、爆撃を「戦争犯罪」だと非難した上で、独立調査の実施を要求した。
MSFによると、この爆撃により22人が死亡。中には、ベッドの上で焼死した患者もいた。爆撃は、病院が被害を受けているとの情報が米国とアフガニスタンの両当局に通知された後も止まらず、「極めて正確」な爆撃が約15分置きに計1時間以上続いたという。
空爆当時、病院には患者と介護者が105人、外国から派遣された人を含むMSF職員が80人以上いた。死亡したのはMSF職員12人と患者10人で、患者のうち3人が子どもだった。
同病院はアフガニスタン北東部で唯一、重傷の戦傷患者に対応できる医療施設。同病院の閉鎖は、たとえ一時的であっても、地元市民に甚大な影響を与えかねない。
MSF広報担当者はAFPの取材に対し、「もはや病院は機能できなくなった。重傷患者はすべて別の医療施設に移されている。われわれの病院ではMSF職員はもう働いていない」と述べた。再開のめどは立っていないという。
MSFは爆撃を非難し、在アフガニスタン米主導NATO軍の回答を要求している。クリストファー・ストークス(Christopher Stokes)事務局長は、「戦争犯罪が行われたという確信の下、国境なき医師団は、独立した国際機関による全面的かつ透明な調査を要求する」と述べた。
バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は爆撃を「悲劇的な出来事」と呼び、哀悼の意を表明するとともに、米国防総省が全面的な調査を開始したと述べた。(c)AFP/Anuj CHOPRA