ローマ法王、訪米中に同性愛者の友人と面会
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【10月3日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王が、先月末の訪米中に首都ワシントン(Washington D.C.)で、友人で同性愛者の男性、およびそのパートナーらと面会していたことを2日、バチカン(ローマ法王庁)が明らかにした。
この面会について最初に報じた米CNNは、ワシントンのバチカン大使館で長年の友人同士であるヤヨ・グラッシ(Yayo Grassi)さんと法王が抱擁しあう映像を放送した。バチカンはこの面会は個人的なものだとする声明を発表し「過去にもお伝えしている通り、法王は神父として優しさや歓待、対話の精神をもって個人的な人間関係を保ってきた」と述べた。
法王自身から会いたいとの電話が訪米の3週間前にあり、パートナーのイワンさんや友人数人と共に法王に会ったと、グラッシさんはCNNに語った。グラッシさんは1960年代にアルゼンチンの高校で、法王から文学と心理学を教わったという。
グラッシさんは、法王はグラッシさんが同性愛者であることをずっと前から知っていたが、法王から性的指向や同性との性的関係について非難されたことは一度もないと話し、「彼(法王)は批判的だったことも、否定的なことを言ったこともない」と語った。
ローマ法王はグラッシさんらと会った翌日に、同性カップルへの結婚許可証発行を拒否したケンタッキー(Kentucky)州ローワン(Rowan)郡のキム・デービス(Kim Davis)書記官と秘密裏に面会していたことが、今週の報道で明らかになったばかり。
米最高裁が今年6月に全米で同性婚を合法とする判決を下したにもかかわらず、宗教上の信条を理由に同性カップルへの結婚許可証発行を拒否したデービス書記官は、先月上旬に短期間、収監された。
バチカンは2日、法王がデービス書記官と面会したことは、同書記官の同性婚についての立場への支持を示すものと解釈されるべきではないと声明を発表していた。
フランシスコ法王は同性愛に関するカトリック教会の立場を、それまでの批判的なものからより理解ある立場へと転換し称賛されている。ただし同性婚の合法化については反対の立場を崩しておらず、4日から3週間にわたって催されるカトリック教会の会議で同性愛者のカトリック教徒に配慮したなんらかの具体的な措置が取られるかどうかは、確実と言うにはほど遠い状況だ。(c)AFP