【10月3日 AFP】コロンビア当局2日は、米国が500万ドル(約6億円)の懸賞金を懸けていた指名手配犯の麻薬王が、コロンビア軍の作戦で殺害されていたことを明らかにした。

 死亡したのは「メガテオ(Megateo)」の異名を持つ元武装組織戦闘員ビクトル・ナバロ(Victor Navarro)容疑者(39)で、コロンビアとベネズエラ国境地帯でコカインの密輸ルートを運営していたとされている。同容疑者については今年8月に殺害の情報が報道されていたが、同国のフアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)大統領のツイッター(Twitter)への投稿で始めて公式に死亡が確認された。

 サントス大統領は、自身のツイッターに「軍からの最新情報によると、メガテオは殺害された。(密輸組織にとって)大きな痛手だ。おめでとう!犯罪者は裁きにかけられるか、埋葬されるかのどちらかだ」と投稿した。

 同国ノルテ・デ・サンタンデール(Norte de Santander)州のエドガル・ディアス(Edgar Diaz)知事は、ナバロ容疑者が軍と警察の共同掃討作戦中に殺害されたと述べた。

 ナバロ容疑者は左翼ゲリラ武装組織「解放人民軍(Popular Liberation ArmyEPL)」の元戦闘員で、1990年代に和平交渉で同組織は事実上解散したが、その後も武装解除を拒否し、同組織から離れた戦闘員らとともに戦闘を続行。当局によると、ナバロ容疑者はその後麻薬密輸業者に転向し、世界一のコカイン産出国であるコロンビアからの密輸ルートを一部掌握した。

 米国務省は、ナバロ容疑者が数トンものコカインを米国、カナダ、ドミニカ共和国、欧州に輸出する組織や、数百万ドルに及ぶ資金清浄ネットワークを運営していると告発していた。

 米国の懸賞金に加え、コロンビア政府もナバロ容疑者の逮捕や殺害に繋がる情報に70万ドル(約8400万円)の懸賞金を懸けていた。(c)AFP