【10月2日 AFP】1日に大学での銃乱射事件が発生した米西部オレゴン(Oregon)州は、民主党が多数派の多くの州同様、連邦レベルでの政治的な怠慢に業を煮やし銃販売に関する規制法を最近、強化したばかりだった。

 米国ではますます、州による銃規制法の違いが浮き彫りになっている。2012年に東部コネティカット(Connecticut)州のサンディフック小学校(Sandy Hook Elementary School)で児童20人大人6人が死亡する銃乱射事件が起きた後も、銃規制活動家らが望んだ国家レベルでの改革は議会の対立により行われなかった。

■各州で異なる銃への対応

 カリフォルニア(California)州の主要弁護士グループである「銃による暴力防止法律センター(Law Center to Prevent Gun Violence)」のローラ・クティレッタ(Laura Cutilletta)上席弁護士は、銃規制に関してオレゴン州は全米50州の平均を上回ると語る。

 オレゴン州では地元選出の当局者らが今年、銃器販売前に購入希望者の経歴を確認することを一律義務化した。こうした規制は同州を含め、全米18州で導入されている。

 だが銃器見本市やインターネットでの銃販売が、こうした規制の対象にならない抜け道となっていることは、よく知られている。また、オレゴン州は武器の譲渡や所有は禁止しておらず、銃購入の待期期間も設けていない。さらに、全ての州が銃を人から見えないように携帯することを法律で認めている。

 その一方で、銃の販売に関して1人当たりの購入数や所持許可証交付の対象・方法などを厳格に制限している州もある。

 対してジョージア(Georgia)州やサウスカロライナ(South Carolina)州などでは、銃の所持を許可する場所をバーや教会、空港にまで広げるなど、より寛大な対策がとられている。テキサス(Texas)州は最近、大学のキャンパスでの銃所持を合法化した。

■銃擁護派の影響力

 サンディフック小学校での銃乱射事件後、銃規制推進派の議会への要望は控えめになり、半自動式ライフルを含めた危険な武器の販売制限という望みはほとんど持たなくなった。これに代わって推進派たちは、すべての武器販売で購入希望者の経歴確認義務付けを全国規模で導入することを目標に定めた。

 しかし2013年4月17日、銃購入者の経歴確認の改革法案は、共和党議員と一部民主党議員の連携や、銃擁護のロビー活動とその最たる全米ライフル協会(National Rifle AssociationNRA)の強い影響によって上院で否決された。これを受けてバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は同日、改革法案否決は「恥ずべきこと」だと述べた。(c)AFP