【10月2日 AFP】インド東部にある子供たちを保護するシェルターで暮らすガニタ・ムンダ(Ganita Munda)さん(17)は、家族が魔女狩りのギャングたちに殺された時に上げた悲鳴に取りつかれている。

 ガニタさんは、襲ってきたギャングたちから逃れてオディシャ(Odisha)州の田舎の村にあった家から逃げ出し、近くの森の暗闇に何時間も隠れていたことを覚えている。

「私はここにいるべきではない。今でもどうやって(生き延びたか)分からない」と、7月に起きた襲撃について語った。この襲撃では、両親と3歳の幼児を含む4人のきょうだいが殺された。

 ナイフを持った村人たちがガニタさんの家族を狙ったのは、彼の母親が「魔女」の烙印(らくいん)を押され、村の子供たちの間で流行していた病の責任を負わされたからだ。

 このような「魔女狩り」は、インドの迷信深い田舎の地域で年に何回も起きており、当局はこの問題に対処していないとして非難されている。

 政府の最新の統計によれば、魔術と関連した殺人事件が2014年、インドの13州で約160件発生し、うち32件がオディシャ州で起きた。近年、この数字に大きな増減はなく、2000年以降、約2300人が殺され、その大半が女性だという。

 同州に昨年導入された、魔術関連の犯罪対策を目的とした特別法の実施に当たっている地元警察の幹部は、「これからも続くだろう。人里離れた地域では、病気や凶作、動物の死、個人的な災難などはなぜか、魔術あるいは黒魔術といった超自然的な力と関連づけられるからだ」との見方を示した。