【10月1日 AFP】欧州で2014年に登録された自動車の二酸化炭素の排出量は、メーカーが公表しているものよりも平均40%高かったとの報告書が9月30日、発表された。

 各国に事務所を設置している独立調査団体「国際清浄交通委員会(International Council on Clean TransportationICCT)」によれば、実際の汚染の度合いとメーカーの研究施設ではじき出される数字との間にある隔たりは、2001年以降30%以上広がったという。

 ICCTは、メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)やBMW、プジョー(Peugeot)のいわゆる大衆モデルなど一部車両に、公表している排出レベルを50%超過しているものが存在していることを突き止めた。

 自動車の排ガス規制をめぐっては、独自動車大手フォルクスワーゲン(VolkswagenVW)による不正が発覚したばかり。

 実際のCO2排出量がメーカー公表値よりも高かったことに関しては、故意の不正以外にも幾つかの要因が関係していると考えられるという。

 このことについてICCTは、自動車メーカーが、タイヤの選択や風の状態、勾配など、燃料効率を減少させる諸条件を過小評価している可能性があると指摘。また試験中はエアコンなど燃費を悪化させる機能も考慮されていないとしている。

 ICCTが発表した90ページの報告書では、6か国60万台の車両を対象に、車のパフォーマンスに関するドライバーからの報告と各メーカーの主張とを比較。使われたデータには、所有者自身が燃料効率を報告する、消費者運営のウェブサイト数件のものも含まれているという。

 報告書には、車両の型式や運転の仕方、道路条件などにばらつきがあるため、正確な測定は困難であることも認識しているとあった。(c)AFP/Marlowe HOOD