【9月30日 AFP】ロシアの連邦会議(上院)は30日、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対し、シリアでの空爆の実施を正式に承認した。ロシアのセルゲイ・イワノフ(Sergei Ivanov)大統領府長官が「連邦会議は大統領の要請を全会一致で承認した。シリアについてのことだ」とテレビで述べて明らかにした。

 ロシア政府の声明によると、プーチン大統領が上院に要請したのは国外への「分遺隊」派遣の承認。要請の中で派兵先は特定されていなかったが、ロシアは先にイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に対する空爆を検討していると明らかにしていた。プーチン大統領は2014年3月のクリミア(Crimea)併合の際にも、国外派兵の承認を事前に上院に要請している。

 米国防総省は、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領の権力を維持しようとするロシアが、過去数週間のうちに爆撃機、戦闘機、少なくとも500人の兵士、その他多数の軍用装備品をシリア北西部に輸送したと述べている。

 シリアで進んでいるロシアの軍事力の集積は、ロシアにとって本国から離れた戦場での軍事的関与としては1979年の旧ソ連のアフガニスタン侵攻以来のものとなる。(c)AFP