【9月28日 AFP】米ニューヨーク(New York)のセントラル・パーク(Central Park)で先週末、国連(United Nations)の新開発目標の周知を目的としたコンサート「グローバル・シチズン・フェスティバル(Global Citizen Festival)」が開催された。コンサートでは、米歌手ビヨンセ(Beyonce)さんから欧州の首脳らに至るまで、音楽界や政界の著名人らが参加し、世界の貧困撲滅への協力を呼びかけた。

 この日のコンサートでは、テレビ中継も行われ、多くの人にそのメッセージが届けられた。また会場に訪れた観客らは、料金を支払うのではなく、手紙を書いたりボランティア活動をしたりするなど、社会的な活動を通じてチケットを入手した。

 ステージには、パール・ジャム(Pearl Jam)やコールドプレイ(Coldplay)などのベテラン勢の他、英ポップ界の新鋭エド・シーラン(Ed Sheeran)さんや「社会派」ラッパーのコモン(Common)さんなども登場。また、同イベントのインドでの注目度を上げるため、ボリウッド(Bollywood)の代表的な歌手も出演した。

 ビヨンセさんのセットリストの最後には、サプライズゲストとしてミシェル・オバマ(Michelle Obama)米大統領夫人が登場した。ミシェル夫人は、ステージ上でビヨンセさんと温かいハグを交わし、世界中に6200万人いると推計される学校に行けない少女たちのために、ソーシャルメディアを利用して活動に参加するよう呼び掛けた。

 このほか、ジョー・バイデン(Joe Biden)米副大統領や、ルクセンブルク、マルタ、ノルウェー、スウェーデンの各国首脳らも舞台に登場。バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領とデービッド・キャメロン(David Cameron)首相もビデオ出演している。

 国連では25日、世界の貧困を2030年までに撲滅させるとの新たな目標を採択。この中には、将来家族が置かれるさまざまな問題解決のための投資として、少女たちに教育などのさまざまな機会を与えることに焦点をあてたものもある。

 イベントではまた、史上最年少でノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞したマララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さんが、「莫大なお金が、社会にとって何の役にも立たない軍事費用にあてられている。子どもの人生を変えられるのは、1冊の本と1本のペンだ」と述べ、学校へ行きたいという少女たちの悲痛な現状を訴えた。

 また、米ハリウッド(Hollywood)俳優、レオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)さんも、温暖化と自然災害がさらなる貧困を生む可能性があると指摘し、気候変動の問題に関して各国に合意への努力を呼び掛けた。(c)AFP/Shaun TANDON