米中首脳、サイバー攻撃抑止などで合意も人権・領有権で意見に相違
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【9月26日 AFP】訪米中の習近平(Xi Jinping)中国国家主席は25日、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領と合同記者会見を行い、両国は地球温暖化防止への努力とサイバー攻撃抑止で合意したものの、人権や領有権問題については厳しい言葉を交わした。
オバマ大統領は記者会見で、習国家主席の地球温暖化に対する努力をたたえたものの、同国の反体制の活動家らに対する措置を批判し、また米企業に対するサイバー攻撃を停止するよう求めた。
世界の二大経済大国である米国と中国はまた、世界の二大環境汚染国でもある。しかし産業スパイ疑惑や、南シナ海(South China Sea)における中国の攻撃的な領有権主張の動きで緊張関係にある両国が、フランス・パリ(Paris)で今年11月30日から開催される、国連気候変動枠組み条約(UN Framework Convention on Climate Change、UNFCCC)の第21回締約国会議(COP21)を前に、地球温暖化対策として二酸化炭素排出量の削減努力で合意をしたことは大きな評価を受けている。
中国はまた、発展途上国の地球温暖化対策を支援するため、31億ドルの予算を拠出することを表明した。
オバマ大統領はさらに、「人権に関しては、今までもそうしてきたように、正直に話し合った」と語り、中国の反体制の活動家や宗教・地域的少数民族に対する独裁主義的措置に「問題がある」と述べた。
オバマ大統領は記者会見で大胆に、中国政府が分離独立主義者とみなしているチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世の名を挙げ、「チベットが中国の一部であると認識している。中国政府に対して、チベットの人々の宗教と文化を保護し、ダライ・ラマや同氏の代理人と対話することを奨励した」と述べた。
また、両国の民間企業における商業的スパイ活動を行わないことで合意したが、ここでもオバマ大統領が「(スパイ活動は)抑止されなければならないと伝えた」と強い言葉で主張した。
習国家主席は、オバマ大統領の発言に対して「中国は商業機密の盗難を含むサイバー攻撃に強く反対し、対策を取っていく」と抗議した。(c)AFP/Jerome Cartillier