【9月25日 AFP】(一部更新、写真追加)排ガス規制逃れの不正問題に揺れる独自動車大手フォルクスワーゲン(VolkswagenVW)は25日、次期最高経営責任者(CEO)に、同社傘下の高級スポーツカーメーカー、ポルシェ(Porsche)のマティアス・ミュラー(Matthias Mueller)最高経営責任者(62)が就任することを発表した。

 VWの監査役会は25日朝、独ボルフスブルク(Wolfsburg)の本社で会合を開き、23日に辞意を表明したマルティン・ウィンターコルン(Martin Winterkorn)CEOの後任として、ミュラー氏の就任を決めた。

 ミュラー氏は「厳しい調査と最大限の透明性、それと同時に現在の状況からしかるべき教訓を引き出すことによって、フォルクスワーゲングループへの信頼を回復すること、それが最も急を要する仕事だ」と述べた。

 ミュラー氏は1953年6月9日生まれ、独日刊紙ウェルト(Die Welt)のインタビューによると、プロサッカー選手になるのが夢だったという。だが独高級車メーカー、アウディ(Audi)で工具製作者としての経験を積んだ後、ミュンヘン(Munich)で情報工学を学んだ。ポルシェのCEOには2010年に就任した。ミュラー氏の下でポルシェは今年3月、記録的な年間販売台数、売上高、利益を発表した。

 ポルシェは2005年から、自社の15倍の規模に相当するVWの買収を画策していた。だが世界的な金融危機により買収計画は行き詰まり、VWの株主からの十分な支持も得られず、その後VWが逆にポルシェを買収した。ミュラー氏はポルシェCEOとしてVWの取締役会にも名を連ねる。 (c)AFP/Simon MORGAN