繰り返される群衆の圧死事故、過去にも多くの犠牲者
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【9月25日 AFP】サウジアラビアにあるイスラム教の聖地メッカ(Mecca)近郊で大巡礼「ハッジ(Hajj)」の最中に発生した24日の圧死事故は、犠牲者が700人を超え、過去100年ほどの間に世界各地で起きた同様の事故の中でも最悪のものの一つとなった。
こうした多数の犠牲者を伴う群衆の圧死事故は、これまでに幾度も発生している。
■巡礼者1426人死亡、サウジアラビア(1990年)
1990年7月2日、メッカ近郊のミナ(Mina)で、巡礼者が移動するためのトンネル内で転倒事故が起き、1426人が死亡した。大半はアジア地域からの巡礼者だった。
この日は大巡礼の最終日にあたり、投石の儀式のために大勢の巡礼者が集まっていた。
トンネルは幅20メートル、長さ約1キロで、一度に通行できる人数は1000人となっていたが、事故当時は約5000人がこの中にいたという。目撃者によるとトンネル内の換気装置は停電のため作動していなかったという。
■巡礼者約1000人死亡、イラク(2005年)
巡礼中の圧死事故はイラクの首都バグダッド(Baghdad)でも起きている。
2005年8月31日、バグダッド市内カダミヤ(Kadhimiyah)地区のモスクで迫撃砲による攻撃があり、逃げ出した大勢の巡礼者らが橋に殺到。橋の上で圧死したりチグリス川(Tigris River)へ飛び込んで水死したりして、女性や子供、高齢者を含めた1000人近くが犠牲となった。2003年の米軍侵攻以来、イラクで最も多くの死者を出すこととなった。
■死者1389人、帝政ロシア(1896年)
1896年5月30日、ニコライ2世(Nicolas II)の戴冠を祝ってモスクワのホディンカ(Khodynka)平原で行われた行事に群衆が押し掛け大混乱となり、1389人が死亡する惨事となった。(c)AFP