キリン、夜間に「ハミング」で意思伝達か
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【9月24日 AFP】ライオンは「ガオー」とほえ、オオカミは「ワオーン」、ゾウは「パオーン」と鳴く──では、キリンはコミュニケーションを取るのに、どのような「鳴き声」を発するのだろうか。この疑問に対し、23日に発表された最新の研究結果は、キリンは夜にだけ「ハミング」すると示唆している。
キリンは他の類似する動物種と異なり、おそらく首が長いために、音声によるコミュニケーションが得意ではなく、たまに鼻を鳴らしたり短くうなったりする程度で、それ以上に意味のある音声は発していないと考えられていた。
だが、オーストリア・ウィーン大学(Vienna University)のアンゲラ・シュテーガー(Angela Stoeger)氏率いる研究チームは、欧州にある3か所の動物園で947時間に及ぶ録音を実施。そして、録音された音源の中にキリンが「豊かな調和的構造」を持つ鳴き声を発している事例を発見した。
英科学誌「バイオメドセントラル(BioMedCentral)」に発表された研究論文によると、このような音声の大半は、夜間に発せられていた。動物園の飼育係らでさえ、このような音をこれまで聞いたことがないと話しているという。
さらなる研究を重ねる必要があるが、この「ハミング」は、群れに属するキリンたちが、夜間に互いの姿が見えなくなる時にコミュニケーションを保つ助けになっている可能性があることを、今回の結果は示唆している。(c)AFP