【9月24日 AFP】訪米中のローマ・カトリック教会のフランシスコ（Francis）法王は23日、首都ワシントン（Washington D.C.）のホワイトハウス（White House）を訪問し、バラク・オバマ（Barack Obama）大統領と共に、移民と気候変動の問題に関する行動を訴えた。

 法王はホワイトハウスの南側の庭「サウスローン（South Lawn）」で公式の歓迎式典に出席した後、ホワイトハウスの大統領執務室（Oval Office）でオバマ大統領と40分に及ぶ一対一の会談を行った。

 歓迎式典で法王は、米政界で続く移民制度改革についての議論に言及し、「私は移民一家の息子として、大部分がそのような（移民の）家族により建てられたこの国に招待され、うれしく思います」と、流ちょうな英語で語った。

 一方のオバマ大統領は、法王が「神の最も力強いメッセージは慈悲である」ことを世界に思い出させたとたたえ、「これは、戦争で破壊された土地を逃れる難民から、より良い暮らしを求めて故郷を去る移民まで、見知らぬ人々を共感と真に開いた心で迎えることを意味する」と述べた。

 2人が共同で発したこのメッセージは、数か月にわたり続く難民危機に揺れる欧州でも強く共鳴するような内容だ。

 さらに、米国の保守派の多くが人為的な気候変動の存在そのものを疑問視する中、両者はこの問題に関する行動を訴える事実上の共同声明を打ち出した。

 オバマ大統領が法王に「あなたは、神が私たちに与えてくれた偉大な贈り物であるこの地球を守るという神聖な責務を私たちが負っていることを、私たちに思い出させてくれる」と述べると、法王は「気候変動はもはや未来の世代に残すことができない問題であることは、私には明白に思える」と応じた。(c)AFP