オーストリアに移民続々、トルコ沖では子ども含む難民13人死亡
このニュースをシェア
【9月21日 AFP】中東やアフリカから欧州に移民や難民が殺到している問題で、オーストリアでは20日、新たに数千人の移民がバスや列車で到着した。一方、トルコ沖では難民を乗せたゴムボートがフェリーと衝突・転覆し、子ども6人を含む少なくとも13人が死亡した。
トルコからの報道によると、転覆したゴムボートにはギリシャを目指す難民少なくとも46人が乗っていた。ギリシャメディアは子ども2人が行方不明となっている可能性を伝えている。
ハンガリーと国境を接するオーストリアのニッケルスドルフ(Nickelsdorf)には、20日だけで約7000人の難民や移民が流入した。バス停の前にはウィーン(Vienna)行きのバスを待つ長い列ができ、タクシーでウィーンに向かおうと試みる人たちもいた。
オーストリアに到着した移民らは、ハンガリーが15日にセルビアとの国境を封鎖したためクロアチアを経由して来た人々。クロアチアによると、この国境封鎖を受けて16日以降に同国に流入した移民たちは、2万5000人を超えたという。だが、ハンガリーは20日になって突然セルビアとの国境再開を決めた。
ハンガリー、クロアチア両政府は今週、自国領内からできるだけ速やかに移民たちを出す方針を加速させており、クロアチアとハンガリーの国境には20日、1時間で1200人という記録的なペースで移民が送り込まれた。
こうした中、フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は同日、欧州連合(EU)の全加盟国に保護を求める人たちを受け入れる義務があると言明し、「でなければもはや我々は、価値観と原則の上に築かれたEUに属するとはいえない」と訴えた。
また米国は、受け入れる難民数を2015会計年度(14年10月~15年9月)の7万人から増やすと発表。2016会計年度にはシリア人1万人を含む難民8万5000人を、翌2017会計年度には10万人を受け入れるとの方針を、ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官が表明した。(c)AFP/Marianne BARRIAUX