【9月19日 AFP】ロシアがシリア国内の拠点に戦闘機4機を配備しており、米政府が警戒感を強めていると、米当局者が18日、AFPに語った。

 ロシアはこの数週間、シリアで軍事力を増強している。匿名の米政府筋は、ロシア軍の拠点となっているシリア西部ラタキア(Latakia)の空軍基地でロシアの戦闘機4機が駐機しているのが目撃されたとの報道について、事実だと認めた。

 米国は、ロシアがシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領の独裁政権を支持する動きを見せていることに強い懸念を示している。

 こうした中、アシュトン・カーター(Ashton Carter)米国防長官は18日、セルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相と電話会談し、米露両軍の間で不測の事態が起きないよう、ウクライナ情勢をめぐって18か月間にわたり凍結していた米露の軍事対話を再開した。

 露国防省のイーゴリ・コナシェンコフ(Igor Konashenkov)報道官によると、電話会談は1時間に及び、「国際テロと戦うため米露両国間および多国間の努力が必要だ」というのが協議の焦点だったという。

 米露とも、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の掃討をシリアにおける目標としているが、アサド政権をどのように扱うかという点では姿勢は異なる。ロシアがアサド政権を対ISの防波堤とみなしているのに対し、米国と中東の米同盟国は、シリアの一般市民を迫害して内戦の原因を作り、ISの台頭を許したのはアサド政権だと非難している。(c)AFP