移民歓迎のドイツ、流入増でミュンヘンなど破裂寸前
このニュースをシェア
【9月13日 AFP】「黄金郷」への入り口として、連日数千人の移民・難民が到着するドイツ南部バイエルン(Bavaria)州ミュンヘン(Munich)の当局は、流入する人々のあまりの多さに、同市が破裂寸前であると述べている。
同州オーバーバイエルン(Upper Bavaria)地区のエバ・ヘングライン(Eva Hinglein)報道官は、12日だけでも州都であるミュンヘンの駅に「少なくとも1万人」が到着することが予測されると語った。
同日の午前0時から午前10時30分までの間に、当局は3600人の移民を確認した。ミュンヘンのディーター・ライター(Dieter Reiter)市長は、「この展開にとても困惑している」、「もうこれ以上、難民にどう対応していいかわからない」と述べた。
ジグマル・ガブリエル(Sigmar Gabriel)副首相は10日に連邦議会で、9月初めの8日間に入国した約3万7000人を含め、ドイツには今年、これまでに45万人の難民が到着していると述べた。
ミュンヘンの駅では今も、到着した人々を歓迎するサインを持つ人々がみられる。しかし、多くのボランティアたちが歓声を上げ、食料品や子どものおもちゃを手渡していた数日前と比較すると、その数は格段に少ない。歓声は、駅に到着した列車から移民らが降りるのとほぼ同時に、登録のための歓迎センターに案内する警察官の日常的作業に取って代わった。
それでも、到着した移民らは感謝の意を表し続ける。「問題はドイツ人じゃなくて、(移民・難民が)多すぎることだ」とシリア人のアブデルさん(22)はAFPに語った。さらに、流入の数が大幅に増加したにもかかわらず、「ドイツ人は、それでも僕たちを歓迎してくれるし、食料を含む全てを用意してくれる」、「オーストリアとドイツでは人々はすごく親切だ」と彼は付け加えた。
しかしミュンヘンでは、移民らの数が、受け入れ可能な数の限界に達しようとしている。そうした移民らを収容するために、同市は軍の力を借りて仮設ベッドを設置するなどしている。
同国メディアは、ミュンヘンなど南部の都市が担う重圧を取り除くために、北部に大規模な歓迎センターが建設される可能性があると報じた。しかし、同国政府はその可能性について言及していない。(c)AFP