【9月12日 AFP】米中央情報局(CIA)は、パキスタンで身柄を拘束されていた欧米人とみられる人質の偵察を無人機で続けなかったのは過失に当たるのかどうか、内部調査を進めている。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が10日、伝えた。同人質は、米軍の空爆で死亡していた。

 CIAは現在、無人機が撮影した動画が捉えた厳重に監視されていた人物が、米国人援助活動家ウォーレン・ワインスティーン(Warren Weinstein)氏(73)だったとみている。米軍は今年1月、アフガニスタンとパキスタンの国境地帯にある国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の施設を無人機で攻撃した際、ワインスティーン氏と、同じく人質になっていたイタリア援助活動家のジョバンニ・ロポルト(Giovanni Lo Porto)氏(39)を誤って死亡させ、その後、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が謝罪していた。

 米軍によるこのときの無人攻撃で「インド亜大陸のアルカイダ(Al Qaeda in the Indian SubcontinentAQIS)」のナンバー2、アフメド・ファルーク(Ahmed Farouq)容疑者が死亡したが、これより数か月前にCIAは人質の存在を把握していた。

 複数の米当局者はワシントン・ポストに対して、無人機の動画は決定的なものではなく、映っている人物がワインスティーン氏かどうかはまだ分からないと強調。複数のオバマ政権高官は同紙にCIAが、人質がワインスティーン氏であることを把握するのに失敗した、と言うのは結果論にすぎないと述べた。

 オバマ大統領は、民間人の殺害を避けるため自身が打ち出したガイドラインをCIAは順守していると思われるとコメントし、当局者らもCIAがこの規則から逸脱した証拠はないとしている。

 しかし、米上院情報特別委員会(Senate Intelligence Committee)の委員らは、CIAがワインスティーン氏の追跡を継続しなかったことに失望をあらわにしていると同紙は伝えている。(c)AFP