【9月12日 AFP】米気象当局は10日、今年のエルニーニョ(El Nino)現象が来春まで継続し、観測史上最大規模の強さになる可能性があるとの予測を発表した。

 米気象予報センター(Climate Prediction Center)によると、太平洋(Pacific Ocean)東部の海面水温が平年より高くなり地球規模で大気の流れを変動させるエルニーニョ現象は、今秋末もしくは初冬にピークを迎え、干ばつに見舞われていた米国南西部に通常以上の降雨量をもたらすという。

 同センターのマイク・ハルパート(Mike Halpert)副部長は報道陣に対し、「今回のエルニーニョ現象は現時点で、われわれが目にした中でも上位3位に入る強力な規模となる可能性がある」と話した。

 同センターによると、エルニーニョ現象の影響が及ぶ海域では、今年6月から8月にかけての平均海面温度が1987年と1997年に次いで観測史上3番目の高さになっているという。また、エルニーニョ現象は95%の確率で来春まで続くとし、米国本土の北部、西部、中部や米アラスカ(Alaska)州、カナダに平均気温を超える暖かさをもたらす要因になるとも予測している。

 エルニーニョ現象は海面温度に関連するさまざまな変化により、ハリケーンの発生数が大西洋(Atlantic Ocean)では通常より少なくなり、太平洋の中部と東部では通常より多くなる要因になっていると考えられている。(c)AFP