【9月11日 AFP】米カリフォルニア(California)州の下院議会で9日、安楽死をめぐる法案が承認された。同州は近く、米国で安楽死が認められる6番目の州となる見込み。同国で賛否両論を呼んでいる安楽死問題をめぐっては、末期がんの女性が昨年、尊厳死を選択したことで大きな注目を集めていた。

 安楽死法案の支持者の一人、ビル・モニング(Bill Monning)州議会上院議員は、「末期の疾患を患いながら、自身の個人的信念に基づいて人生最後の日々の生活の質(クオリティー・オブ・ライフ、QOL)を決定する選択肢について議会に期待を寄せてきたカリフォルニア州住民にとっては、歴史的な前進だ」と語った。

 賛成43、反対34の賛成多数で可決された同法案は今週、州上院で採択される見込みだ。

 米国では、安楽死をめぐる問題が長年、物議を醸してきた。安楽死が合法化されている州は、これまでモンタナ(Montana)、ニューメキシコ(New Mexico)、オレゴン(Oregon)、バーモント(Vermont)、ワシントン(Washington)の5州だけだった。

 カリフォルニア州では、末期の脳腫瘍を患いインターネット上に尊厳死を予告する動画を公開した米国人女性、ブリタニー・メイナード(Brittany Maynard)さん(29)のケースがきっかけとなり、尊厳死の話題が大きな注目を集めた。メイナードさんは昨年11月、同州サンフランシスコ(San Francisco)からオレゴン州に転居し、自らの命を絶った。

 カリフォルニア州では現在、白血病を患う別の女性が同州を相手取り、末期患者が自らの命を終えるのを医師がほう助する権利を求めて訴訟を起こしている。(c)AFP