【9月10日 AFP】トルコ各地で、クルド人武装組織による治安部隊への攻撃に腹を立てたデモ隊が、2夜連続でクルド系主要政党の国民民主主義党(HDP)事務所を襲撃する事態となっている。HDPのセラハッティン・デミルタシュ(Selahattin Demirtas)党首は9日、政府が「リンチ」を支援して「内戦」を引き起こそうとしていると非難した。

 トルコではここ数日、政府がクルド人武装組織「クルド労働者党(Kurdistan Workers' PartyPKK)」に対する軍事作戦を強化する一方、PKKが軍や警察に対する報復攻撃を繰り返し、緊張感が高まっていた。

 こうした中、8日夜に首都アンカラ(Ankara)でPKKに抗議するデモ隊が暴徒化し、HDP本部を襲撃して放火。南部の港湾都市アランヤ(Alanya)でもHDP事務所が放火された。

 デミルタシュ党首は、「2日間で400回以上の攻撃が(HDPの)建物に行われた。わが党はリンチ・キャンペーンに直面している」と述べ、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領とアフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)首相がHDPを標的とした作戦を指示したと非難。「彼らは内戦を引き起こそうとしている。この2日間の出来事はそのためのリハーサルだ」と警告した。(c)AFP/Burak AKINCI, Stuart WILLIAMS