【9月10日 AFP】第70回ブエルタ・ア・エスパーニャ(70th Vuelta a Espana)は9日、第17ステージ(ブルゴス、38.7キロメートル、個人タイムトライアル)が行われ、チーム・ジャイアント・アルペシン(Team Giant-Alpecin)のトム・デュムラン(Tom Dumoulin、オランダ)がステージ優勝を飾るとともに、総合首位の赤いジャージー(マイヨ・ロホ)も獲得した。

 デュムランは46分01秒を記録し、2位に入ったティンコフ・サクソ(Tinkoff-Saxo)のマチェイ・ボドナール(Maciej Bodnar、ポーランド)、3位に入ったモビスター・チーム(Movistar Team)のアレハンドロ・バルベルデ(Alejandro Valverde、スペイン)に1分以上の差をつけた。

 総合争いでは、アスタナ(Astana Pro Team)のファビオ・アール(Fabio Aru、イタリア)が3秒差の2位を守った一方で、総合首位でこの日のスタートを切ったカチューシャ・チーム(Katusha Team)のホアキン・ロドリゲス(Joaquim Rodriguez、スペイン)は、3位に後退した上、デュムランに1分15秒差をつけられ、悲願の母国大会優勝はかなり難しくなった。

 1級山岳4つを含む第20ステージが最終ステージ前日に控えていることを考えると、現時点では、ヒルクライムのスペシャリストであるアールが、総合優勝の最有力候補とみられる。しかしデュムランは、自分にもチャンスがあると考えている。

 2014年のUCIロード世界選手権大会(2014 UCI Road World Championships)・男子エリート個人タイムトライアルで銅メダルを獲得し、タイムトライアルのスペシャリストであるデュムランだが、今大会では、山頂フィニッシュのステージがここまで9つあった中で、前日まで総合首位のロドリゲスとの差を1分51秒にとどめ、総合力の高さをうかがわせていた。

 実際、24歳のデュムランの今大会ステージ1勝目は、山頂フィニッシュの第9ステージで、ツール・ド・フランス(2015 Tour de France)覇者のチームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)を抜き去って勝ち取ったものだった。

 デュムランは「もちろん(総合優勝は)可能だ」と話し、マドリード(Madrid)を走る13日の最終ステージまで、マイヨ・ロホを堅持することに自信をのぞかせた。

「プレッシャーはすごく強くなるだろうが、それは誰にとっても同じだと思う。僕としては、今年のブエルタは現時点で大成功だ。僕がステージ2勝を手に入れて、3週目に赤いジャージーを着ているなんて、想像できた人がいたかな?このジャージーを守るつもりだし、あとは走ってみてどうなるかだ」

 10日の第18ステージは、ロア(Roa)からリアサ(Riaza)への204キロメートルで争われる。(c)AFP