ウクライナ紛争の犠牲者、総計8000人近くに 国連発表
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【9月9日 AFP】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は8日、ウクライナ紛争が始まって以来の犠牲者が、民間人を含め8000人近くに上ったと発表した。
同事務所が発表した最新の報告書によれば、「2014年4月半ばにウクライナ東部で紛争が勃発して以来、合計で少なくとも7962人が死亡」し、少なくとも1万7811人が負傷したとしている。
同事務所によると、親欧米のウクライナ政府は、今年2月にベラルーシの首都ミンスク(Minsk)で調印された停戦合意を順守しようと努めているものの停戦違反を繰り返しているとした。
その一方で、親ロシアを掲げる分離派勢力には停戦合意を守る姿勢がみられないとし、支配下に置いた地域に、ウクライナと並立する国家機構を違法に樹立しようとする企てに固執していると述べた。
ただ、親ロシア派が停戦合意の順守を改めて表明した後、両陣営による激しい戦闘はここ1週間発生していないため、先行きについての楽観的な見方も一時的ながら浮上している。
一部の専門家の間では、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が、脆弱(ぜいじゃく)なロシア経済に打撃を与えた欧米諸国による制裁を終わらせる必要があるとして、緊張緩和に動いたとの観測もある。(c)AFP