【9月6日 AFP】アルゼンチンの司法当局は5日までに、妻(61)と自閉症の息子(32)を数年間にわたりおりに閉じ込め、息子にドッグフードを食べさせガソリンの煙を吸わせるなどしていた男(66)を、監禁などの疑いで逮捕した。司法筋が5日、明らかにした。

 おりはれんが造りで木や金属の柵があり、床には排せつ物が入った袋やドッグフード、使用済みの注射器、ガソリン缶が転がり、妻や息子の拘束用に使われたとみられる鍵や鎖、ロープがあった。

「恐ろしい話だ。家に入れば真の狂気を目撃することになる」と同筋は語った。

 男は元建設作業員のエドゥアルド・オビエド(Eduardo Oviedo)容疑者。息子はほとんど話すことができず、妻は精神的な問題を抱えていたという。容疑者は妻と息子に、おりの柵ごしに食べ物を与えていたとみられる。

 警察は、容疑者の他の子どもたちからの通報によりマルデルプラタ(Mar del Plata)にある容疑者宅を家宅捜索し、容疑者を逮捕した。他の子どもたちは近隣に居住していたが、容疑者を恐れるあまり、それまで沈黙を守っていた。

 同容疑者は、誘拐や監禁などの罪で起訴され、精神鑑定も受ける見通し。有罪となった場合は最大15年の禁錮刑が科せられるが、刑が加重された場合には、終身刑となる可能性がある。

 2人が何年前からおりに閉じ込められていたかはわかっていない。(c)AFP