【9月5日 AFP】警告や罰を与え慣れていた審判たちが、選手たちのスポーツマンシップをたたえる―イタリア・セリエBがプロサッカー界の歴史を変えようとしている。

 選手に警告を与えるイエローカード、退場を宣告するレッドカードとともに、イタリア2部リーグの主審は「グリーンカード」を携帯することになる。

 セリエBのアンドレア・アボディ(Andrea Abodi)会長は、グリーンカードについて「試合、ひいてはサッカー全般の中におけるポジティブな行為を示した選手に報いるもの」としている。

 グリーンカード構想は同国のジュニア世代ではすでにテストが行われており、今週末開幕するセリエBでプロサッカー史上初めて導入されることになる。

 審判が負傷している選手の確認を行えるようプレーを中断したり、指摘がないなかでファウルを認めるなどの行為が、グリーンカードの提示対象例となる。確定はしていないが、シーズン終了後にはグリーンカードの提示回数が最も多い選手に賞が与えられることになる。

 ここ数年の中でグリーンカード賞を受賞できる選手といえば、アーロン・フント(Aaron Hunt)だろう。

 2014年に行われたニュルンベルク(1. FC Nuremberg)とのドイツ・ブンデスリーガ1部の一戦で、ヴェルダー・ブレーメン(Werder Bremen)に所属するフントがペナルティーエリア内でのファウルを受けたとし、主審はPKを宣告した。

 しかし、起き上がったフントはこの判定に抗議し、ファウルを受けていないと主張してPKは取り消された。試合はブレーメンが2-0で勝利したが、試合後にニュルンベルクの選手は列をなしてフントと握手を交わした。

 こういった従来と異なる色のカードのアイデアは新しいものではない。

 欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ(Michel Platini)会長は以前、シンビン(一時的退出)を示すホワイトカードの導入を提言した。ホワイトカードで選手を一時的に退出させることにより、イエローカードの提示回数を減らすことになるとされている。(c)AFP