【9月5日 AFP】ナチス・ドイツ(Nazis)が強奪した財宝を載せた「黄金列車」を発見したと主張するドイツ人とポーランド人のトレジャーハンター2人が4日、初めて公の場に姿を現した。

 ポーランド人のピオトル・コペル(Piotr Koper)と、ドイツ人のアンドレアス・リヒター(Andreas Richter)と名乗り出た2人は、公共放送ポーランド・テレビ(TVP)の取材に応じた。

 コペルさんはTVPに対し「われわれは(黄金列車が)存在する動かぬ証拠をもっている。だが、列車にまつわるマスコミの大騒ぎの責任はわれわれにはない」と語った。コペルさんはさらに、2人は8月18日、ひそかに現地当局へ証拠を提示したが、それが後にメディアへ漏れたと主張した。2人は自身たちだけで、列車と積載されているであろう財宝を発掘する資金力は十分にあると述べている。

 ポーランドの法律によれば、2人には取得物の価格の10%の報労金を受け取る権利がある。2人は発見によって得た報労金の一部は、現地に博物館を建てるために使うと約束しているが、今後は弁護士を通じてのみ発表を行うと述べた。

 一方、ユダヤ人組織「世界ユダヤ人会議(World Jewish Congress)」は、ナチスによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の犠牲者が所有していた貴重品が発見された場合は、その所有者、または相続人に全て返還してほしいと呼び掛けている。

 現在、列車が存在すると考えられているポーランド南西部ドルヌィ・シロンスク(下シレジア、Lower Silesia)県バウブジフ(Walbrzych)の一帯とその延長の線路周辺は、やじ馬などが押し掛けることを防ぐため、警察が立ち入り禁止にしている。(c)AFP