【9月5日 AFP】同性カップルへの結婚許可証の発行を拒否した書記官が問題となっている米ケンタッキー(Kentucky)州のローワン(Rowan)郡で4日、許可証の発行が開始された。地元テレビ局が報道した。

 結婚許可証発行は、同性カップルに対する結婚許可証の発行を拒否した同郡のキム・デービス(Kim Davis)書記官(49)が、今年6月26日の連邦最高裁判所による、同性婚は合法であるとの判決に従うことを拒否したとして3日、法廷侮辱罪で収監された後に開始されたもの。

 デービス書記官はキリスト教徒で、同性カップルに結婚許可証を発行することは自身の信仰に反するとしてメディアの注目を集めたが、最終的には収監される結果となった。

 デービッド・バニング(David Bunning)連邦地裁判事は、デービス書記官の助役が4日より結婚許可証を発行することを命令した。地元放送局WKYTによると、デービス書記官の助役6人のうち、同書記官の息子1人を除く5人は命令に従ったという。

 4日朝、ローワン郡庁舎ではジェームズ・イェーツさんとウィリアム・スミスさんの2人が、最初の結婚許可証の発行を受けたカップルとなった。同放送局によると、2人はこれまで何度も許可証発行を求めたが、その度に却下されていた。

 デービス書記官は、結婚許可証の発行拒否が偏見からではなく、自身の信仰が優先された結果だと主張。「私は誰かに対して敵意や悪意を持っているわけではない。私にとってこれはゲイやレズビアンの問題ではなく、結婚と神の言葉についての問題だ」と話していた。

 デービス書記官の夫は4日、妻が「必要な時間だけ」収監される準備ができている、と語った。(c)AFP