【9月4日 AFP】輝くネオンで彩られた電器店や、スマートフォン（多機能携帯電話）にデジタルカメラなどの販売店がひしめき合う香港（Hong Kong）では、iPhone（アイフォーン）やタブレット端末の最新機種を求める客たちが、街の至るところで列をなしている。ところが、デジタル全盛時代の反動から、一見すると時代遅れのようなアナログ機器がもたらす使用感に魅せられる若者たちが増えている。

 ハイテク機器の氾濫で呼び覚まされたのか、デジタル製品が主流となる前の時代への関心が高まり、フィルムカメラやレコードなど、あらゆるアナログ製品を若い世代の人々が追い求めているのだ。

 建築設計事務所で働くソニア・ホー（Sonia Ho）さん（24）は「私たちは毎日、絶え間なく流れる最新機種の宣伝広告にさらされ続けている」と話す。

「今ではラジオやタイプライター、露出計の機能すら、スマートフォンで簡単にダウンロードできる。でも、それぞれのアイテムを本来はどのように扱うのかということについて考えなくなっている」

 ホーさんは現在、以前使用していたデジタルカメラではなく、中古で手に入れたニコン（Nikon）製のフィルムカメラ「FE2」を愛用しているという。