【9月6日 AFP】タブロイド紙で連載している人気コラムが、その率直なコメントで支持者と批判者を集めてきたインドの91歳の「セックス・カウンセラー」は、適切な性教育がなされない保守的なインド社会において、読者らに貴重なアドバイスを提供してきた。

 マヒンダー・ワトサ(Mahinder Watsa)さんへの質問の多くは今も男性からだが、最近は、ムンバイ・ミラー(Mumbai Mirror)紙の同氏のコラムには女性からも、アドバイスを求める問い合わせが増えているという。ワトサさんはAFPに「『Ask the Sexpert(セックスカウンセラーに聞こう)』のコラムを始めたころは、女性からの投稿はほとんどなかったが、最近は30%ほどが女性からだ」と語った。悩み相談は1日80件ほど届く。

 ワトサさんは産婦人科医で、隠語を用いずに「膣」や「陰茎」などの単語をそのまま使うなどといった率直な姿勢のコラムは、性教育が問題となるかそもそも存在していないインドにおいて、人々の知識の空白を埋めてきた。「学校で性教育を行わない州がインドにはたくさんある。だから若者たちは自分たちで知識を得る必要があり、そのため多くの混乱が起きている」とワトサさんは説明する。

 コラムを始める前のワトサさんは、インド家族計画協会(Family Planning Association of India)と協力してインドの性教育の草分けとして活動した。それからこれまで、反発にも直面してきたという。ワトサさんは「初めのころはペニスを図式的に説明するスライドを見せると人々はとても取り乱していた。だがそのうちにみんな慣れ始めた」と話した。