【9月2日 AFP】中国の商業的中心地、上海(Shanghai)に拠点を置くアイスクリームチェーン店が、抗日戦争勝利70周年を記念して、戦犯として処刑された日本の東条英機(Hideki Tojo)元首相の顔をかたどったアイスキャンディーを売り出している。

 アイスクリーム店「Iceason」が販売している、東条元首相の顔をした棒付きアイスキャンディーの宣伝文句は「1万人で一緒に日本の戦犯を食べよう」。上海中心部にある店舗に張られたポスターには、眼鏡をかけ、口ひげをたくわえた東条元首相の顔がチョコレートアイスになった商品の写真に「国辱を忘れまい」という言葉が添えられていた。

 上海の金融街にある別の店舗では2日、5種類の味の「東条アイス」(バニラ、ブルーベリー、モカ、マンゴー、ティラミス味)が売り出されていた。しかし、1本30元(約560円)もするアイスキャンディーを昼休み中に買い求める客はほとんどいなかった。

 領土問題や戦時中の歴史認識をめぐり、日中関係が緊張ムードに包まれている中、中国政府は3日、北京(Beijing)の天安門広場(Tiananmen Square)で抗日戦争勝利70周年の軍事パレードを行う予定だ。

 インターネット上では「東条アイス」について、「たかがアイスクリーム。食べちゃいけない理由はない」という感想がある一方で、「面白いけど、歴史の局面を食べ物にするのはそぐわないと思う」とコメントしたユーザーもいる。(c)AFP