移築された米建築家ライト設計の邸宅、11月から一般公開へ
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【9月4日 Relaxnews】建築の世界的巨匠である故フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright)が1950年代に設計した米ニュージャージー(New Jersey)州の邸宅が、約2000キロ離れたアーカンソー(Arkansas)州のクリスタル・ブリッジズ米国美術館(The Crystal Bridges Museum of American Art)に移築され、11月11日から一般に公開されることになった。
1954年に建設された、「バックマン・ウィルソン・ハウス(Bachman Wilson House)」と呼ばれるこの邸宅は、大恐慌(Great Depression)の時代に、ライトが提唱した住宅の建築様式「ユーソニアン・ハウス(Usonian House)」の代表例とされる。ライトがそれまで手掛けてきた高級住宅とは対照的に、品質を犠牲にすることなく、かつ中産階級の家庭にも手が届く、シンプルで低予算の家づくりを特長とするユーソニアン・ハウスは、実際に約120戸が建設された。
バックマン・ウィルソン・ハウスは、1988年にローレンス・シャロン・タランティーノ(Lawrence and Sharon Tarantino)建設設計事務所が購入し、修復に当たった。だが、付近を流れるミルストーン川(Millstone River)の氾濫で繰り返し被害を受け、建物の存続が危ぶまれたことから、同事務所は邸宅の売却を決断。2014年にクリスタル・ブリッジズ米国美術館が邸宅の購入を発表していた。
その後解体、移送された邸宅は、美術館の敷地内を通り、森や池を見下ろす小道のそばで再建が進められている。工事は最終段階に入り、このたび一般公開の日程が発表された。
邸宅の見学は予約は11月2日から可能。見学は無料だが、事前予約が必要だという。(c)Relaxnews/AFPBB News