交通事故で王の花嫁候補38人が死亡、スワジランド
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【8月30日 AFP】アフリカ南東部のスワジランドで28日、国王ムスワティ3世(King Mswati III)が新しい花嫁を選ぶ伝統的な儀式「リード・ダンス(Reed Dance)」に向かう途中だった少女らが交通事故に巻き込まれ、同国で民主化運動を行う団体によると38人が死亡、20人が重傷を負った。
同国の民主化運動の活動家らによると、事故があったのは28日夜で、現場は、2つの主要都市である首都ムババーネ(Mbabane)とマンジーニ(Manzini)を結ぶ道路。儀式に向かう少女らを乗せたトラックが乗用車に衝突したという。
王制のスワジランドで民主化運動を行う団体「スワジランド・ソリダリティ・ネットワーク(Swaziland Solidarity Network)」の広報担当者はAFPに対し、「荷台に少女たちを乗せたトラックが、路上で停車していた乗用車に衝突した」、「計38人の少女たちの死亡が確認され、他に20人以上が重傷を負った」と述べた。
「リード・ダンス」は31日に行われる予定で、数万人の少女たちが集まり、一夫多妻の王の前で踊りを披露する。王はその中から新しい妻を1人選ぶという。ムスワティ3世は2013年にこの儀式で14人目の妻を選んだ。アフリカ最後の絶対君主とされるムスワティ3世は、1982年の父親の死去以降、同国を治めている。
同国警察は事故について、「死者がでた」ことを認めたが、正式な死者・負傷者数についてはコメントを避けた。29日朝の地元メディアもさまざまな数字を伝えており、政府の新聞「オブザーバー(The Observer)」は数百人が負傷したと報じたが、「スワジ・ニュース(Swazi News)」は7人が死亡し、そのうち6人が少女だったと伝えた。
地元の報道関係者がAFPに語ったところによると、同国の公共テレビでは事故の報道がされておらず、報道関係者は事故現場の写真撮影を禁止されているという。(c)AFP