東京五輪のエンブレム原案公表、盗用を改めて否定
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【8月29日 AFP】東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(The Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は28日、盗用が疑われている大会エンブレムについて、デザインの原案を公表し、疑惑を改めて否定した。
7月に発表された五輪のエンブレムをめぐっては、ベルギー人デザイナーのオリビエ・ドビ(Olivier Debie)氏が、同国の劇場のために制作したロゴに酷似していると指摘し、使用の差し止めを求め、国際オリンピック委員会(IOC)を相手取って訴訟を起こしている。
IOCは、エンブレムの使用は問題ないという見解を示しており、日本側も28日、佐野研二郎(Kenjiro Sano)氏の原案を公表して選考過程を説明したとともに、変更の予定はないと明言した。
東京五輪のエンブレムは、東京、チーム、トゥモローを意味する「T」の字をベースとし、赤い円が心臓の鼓動をあらわしたものとなっている。一方、リエージュ劇場(Liege Theatre)のロゴデザインは、黒地に白で東京五輪のエンブレムに似た形が描かれている。
大会組織委の武藤敏郎(Toshiro Muto)事務総長は、「オリジナルだと確信している」と発言すると、佐野氏のデザインには、ベルギーの劇場のロゴデザインにはない「多くの要素」が含まれていると続けた。また、原案を2回修正して現在のデザインに至ったと話している。
佐野氏は今月初めに、盗用疑惑は「全くの事実無根」だとコメントし、「ベルギーに行ったことはないし、ロゴを一度も見たことはない」と身の潔白を主張した。
一方で、同じく盗用が指摘されたサントリー(Suntory)の販促キャンペーン賞品については、他のスタッフがデザインを写していたことを認めている。(c)AFP