未来の海面上昇、100センチは不可避 NASA
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【8月27日 AFP】地球温暖化による海面上昇についての最新データが示しているのは、今後100~200年間で100センチ以上の上昇が起きるのは避けられないということ──。米航空宇宙局(NASA)の科学者チームが26日、このような発表を行った。
海面上昇の予測、特に発生時期については、主要な極域氷床の融解がどの程度のペースで進むかが分からないため、多くの不確定要素が残されているが、人工衛星機器で得られた過去数年分の観測データは、海洋が現在、以前に比べてはるかに速いペースで膨張していることを示している。
NASAの海面上昇研究チームを率いる米コロラド大学(University of Colorado)のスティーブ・ネレム(Steve Nerem)氏は「海水温が上昇するにつれてどの程度海が膨張するのか、そして氷床や氷河からどの程度の水が海に流れ込むのかなど、現在分かっていることを考慮すると、まず間違いなく、最低100センチ、もしくはそれ以上の海面上昇は避けられないだろう」と述べているが、その時期については「100年かそれよりやや長い期間内でそれが起きるかどうかは不明」としている。
研究チームは特に、グリーンランド(Greenland)の氷床に注目している。この氷床からは過去10年間にわたって年間平均3030億トンの氷が流出した。また、南極氷床からも年間平均1180億トンの氷が失われている。
だが、氷床の崩壊はこれまで一度も確認されていないため、海面がいつ大幅に上昇するかという問題は大きな謎になっている。
NASAによると、世界の海面は1992年以降、平均7.6センチ近く上昇している。一部の海域では、自然変動により上昇幅が23センチを上回るところもあるという。
NASA本部で氷圏プログラムを担当する科学者のトム・ワグナー(Tom Wagner)氏は「氷床が急速に崩壊すると、100~200年間で最大3メートルの海面上昇が起こり得ることが、古気候の記録から確認されている」と指摘。「氷床が目を覚ましつつある証拠が現在観測されているが、急速な氷消失の新たな時代に突入していると明言できるまでには、氷床に関する理解をさらに深める必要がある」と続けた。(c)AFP