血液検査で乳がん再発予測、実験的技術を開発 研究
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【8月27日 AFP】乳がんを患った女性の将来的な再発予測を目的とした、実験的な血液検査の技術を開発したとの研究論文が26日、発表された。スキャンによって新たな腫瘍が検出可能となる数か月前に予測できる可能性があるという。
米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシン(Science Translational Medicine)で発表されたこの検査技術は、血流を循環するがんのDNAを検出することで機能する。
この検査方法が利用可能となるまでには、あと数年を要するとみられているが、この技術は、がんの個別化治療を向上させる助けになるとともに、将来の治療法発見に至る道に科学者らを導く可能性もある。
論文の執筆者で、英がん研究所(Institute of Cancer Research、ICR)の分子腫瘍学チームを主導するニコラス・ターナー(Nicholas Turner)氏は「今回の研究で示されたことは、簡単な血液検査でも、どの患者に乳がんの再発が起きるかを現在の技術よりはるかに早く・正確に予測する可能性を秘めているということ」とコメント。「再発の予測において、この種の血液検査が利用可能であることを示したのは、われわれが初めてだ」と続けた。
研究では、化学療法と乳がんの切除手術をすでに受けた、初期病変のある乳がん患者55人から腫瘍と血液のサンプルを採取。外科手術の直後と、追跡検査としてその後6か月ごとに血液検査が実施された。
結果、がんが再発した女性15人のうち、12人でその再発を血液検査で正確に予測できた。また、従来型のスキャンで腫瘍が明白に検出可能になるより、平均約8か月早い時点でがんが検出されている。
論文によると、個別化された「デジタルポリメラーゼ連鎖反応(dPCR)」検査を用いて変異を追跡する同技術は、乳がんの全亜型に適用可能だという。
ターナー氏は、血液検査を実行する上においては技術的課題がいくつかあることを指摘。「だが、dPCRは費用効率が比較的高い上、dPCRで得られるデータは、乳がん患者に大きな違いをもたらす可能性がある」としている。
乳がんは、患者の95%が早期に診断を受けるが、がんの兆候を治療ですべて排除できているかどうかを知ることは、腫瘍の再発や体の他の部位への転移を防ぐカギとなる。
ターナー氏は「今回の血液検査が病院で利用可能になるまでに数年ほどかかると見込まれるが、来年開始予定のはるかに大規模な臨床試験を実施することで、その日が来るのを早めたいと考えている」と話している。(c)AFP