ネパール新憲法抗議のデモ隊が暴徒化、警官隊と衝突、8人死亡
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【8月25日 AFP】ネパール西部セティ(Seti)県カイラリ(Kailali)郡で24日、新憲法に反対するデモが暴徒化し、生後1歳6か月の男児と7人の警官が死亡した。現地は一夜明けた25日も緊張が続き、治安部隊数百人が市街をパトロールしている。
24日の抗議デモと警察の衝突はカイラリ郡のティカプール(Tikapur)で発生した。暴徒化したデモの参加者は、やりやおの、ナイフなどを持って警官隊を襲撃した。現地当局によれば、警官7人が死亡、治安要員40人以上が負傷した。また準軍事組織の幹部の自宅に向かって発砲があり、この幹部と一緒にベランダにいた幼い息子が頭部に銃弾を受け死亡した。
同国ではネパール共産党毛沢東主義派(毛派)が武装闘争の終結を宣言した2年後の2008年に新憲法制定のための制憲議会が発足。今年4月、議会はネパール地震に駆り立てられる形で画期的な合意に至った。
新憲法は数世紀にわたる不平等の解消を目指しているが、国土を7州に分けることを定めており、これに対し、歴史的に疎外されてきた民族や地方が、新しい行政区画では政治的代表権が制約されると抗議している。24日の襲撃事件が起きた際ティカプールでは、長年をかけて奴隷から地主階級に社会的地位を上げてきた少数民族タルー人(Tharu)の活動家らが独自の県を要求するデモを行っていた。(c)AFP