【8月24日 AFP】第70回ブエルタ・ア・エスパーニャ(70th Vuelta a Espana)は23日、第2ステージ(アラウリン・デ・ラ・トレからカミニート・デル・レイ、158.7キロメートル)が行われ、2014ツール・ド・フランス(2014 Tour de France)を制したアスタナ(Astana Pro Team)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)が、チームカーにつかまりながら走ったとして失格処分を科された。

 グランツール(三大ツール)完全制覇を遂げているニバリは、残り30キロ地点で大規模落車に巻き込まれ、集団から離されたものの、最後の3級山岳で懸命に差を縮め、総合タイムではモビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)とアレハンドロ・バルベルデ(Alejandro Valverde、スペイン)、チームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)と約1分差をつけられるにとどまっていた。

 しかし、ステージ終了後に流れたテレビ映像には、集団を追いかけるため、アスタナのチームカーの力を借りて加速するニバリの様子がとらえられており、ブエルタの総合ディレクターを務めるハビエル・ギーエン(Javier Guillen)氏は、報道陣に対して「テクニカルジャッジの決定を受け取りました。問題の選手による行いは、自転車競技、選手たち、ブエルタ、大会イメージに悪影響を与えます」とコメントした。

 アスタナは、度重なるドーピング違反により自転車界で議論を呼ぶと、一時は国際自転車競技連合(UCI)のワールドライセンス取得も危ぶまれていた。

 アスタナのステファノ・ザニーニ(Stefano Zanini)スポーツディレクターは、「ジャッジと話し合いましたが、ニバリを失格にするという決定は覆りません」と明かした。

「失格処分ではなく、タイムによる制裁など、罰の軽減を求めました。ジャッジは、こういう行いが他選手の先例を作ってしまうと懸念したようです」

 ニバリは、先日のツール・ド・フランス(2015 Tour de France)でも物議を醸す行動を起こし、総合首位のフルームが技術的な問題を抱える中、アタックを仕掛けたことで「スポーツマンらしくない」と批判されていた。