欧州列車襲撃、「英雄」米国人3人が会見 「傍観せず行動を」
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【8月24日 AFP】オランダ・アムステルダム(Amsterdam)発フランス・パリ(Paris)行きの国際高速列車の車内で武装した男を取り押さえ、「英雄」と称賛されている米国人3人が23日、パリの米国大使館で記者会見し、テロ事件を起こすつもりはなかったとする容疑者の主張を否定するとともに、人々に対し、こうした事件の際には決して傍観者でいないよう訴えた。
襲撃犯とされるモロッコ国籍のアイユーブ・ハッザーニ(Ayoub El Khazzani)容疑者(25)は21日、ベルギーのブリュッセル(Brussels)で、カラシニコフ(alashnikov)銃や、自動拳銃、銃弾、刃物を持って乗車した。
目撃者によると、容疑者は発砲し、男性1人を負傷させた後、友人同士で旅行していた米空軍兵士のスペンサー・ストーン(Spencer Stone)さん(23)、米オレゴン(Oregon)州の州兵アレク・スカラトス(Alek Skarlatos)さん(22)と学生のアンソニー・サドラー(Anthony Sadler)さん(23)の3人に取り押さえられた。
ストーンさんは事件で負傷し、22日に病院を退院。記者会見には、右目が赤く充血し、手に包帯が巻かれたままの状態で臨み、事件が起きた時は深い眠りから覚めたばかりだったと語った。
「男がAK-47(カラシニコフの自動小銃)らしきものを持っているのが見えた」「銃は詰まっているのか、うまく作動せず、男は弾を装填(そうてん)しようとしていた」と述べた。
「アレクが僕をたたき、『行くぞ』と言った」「僕らは男にタックルし、床にたたきつけた。僕が男の首を抱え込んでいる間に、アレクが銃を奪った。男は左右からさらに武器を取り出し始めた。拳銃とカッターを取り出して、僕に切りかかってきた」という。
ハッザーニ容疑者が、武器を所持していたのは襲撃目的ではなく、乗客に対して強盗をはたらこうとしただけだと主張していることについて、サドラーさんは「列車内で強盗するのに、弾倉8つはいらない」と語った。
最近アフガニスタンでの任務を終えたばかりのスカラトスさんも「多くの実弾を所持していたことからも、男の意図はかなり明白」と指摘。容疑者は「一言も話さなかった」と付け足した。
サドラーさんは、「隠れたり、何もしなかったり」していても成し遂げられることは何もないと指摘し、「もし、友達のスペンサーが起きていなければ、男は(襲撃に)成功していたかもしれない。そこから学んでほしい。こうしたテロ事件が起きた時、行動を起こしてほしい。ただ傍観しているだけでなく」と訴えた。(c)AFP