【8月21日 AFP】ブラジルの検察当局は20日、国営石油会社ペトロブラス(Petrobras)をめぐる大規模な贈収賄疑惑で、エドゥアルド・クニャ(Eduardo Cunha)下院議長とフェルナンド・コロル・デ・メロ(Fernando Collor de Mello)元大統領を収賄罪などで訴追した。クニャ議長は一連の収賄疑惑をめぐる政治危機の中心人物で、少なくとも500万ドル(約6億1500万円)の賄賂を受け取った疑いがもたれている。

 クニャ議長について検察は、ペトロブラスの石油掘削船2隻の建造契約に絡み賄賂を受け取ったとして収賄と資金洗浄(マネーロンダリング)の罪で起訴。罰金と不当利得の返還で計8000万ドル(約98億円)の支払いを求めた。

 これに対し、一貫して無実を主張してきたクニャ議長は、法廷で争えることになり「安堵(あんど)した」と述べた。議員は辞職しないという。

 さらに、コロル元大統領もペトロブラス疑惑にからんで訴追されたとブラジル最高裁が認めているが、罪状は明らかにされていない。コロル氏は大統領時代の1992年に別の収賄疑惑で辞任に追い込まれたが、現在は上院議員に復帰している。(c)AFP/Damian WROCLAVSKY