バンクシーがテーマパーク開園、現代社会を鋭く風刺 英国
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【8月21日 AFP】英国の覆面アーティスト、バンクシー(Banksy)が、ディストピアテーマパークを英海岸の町に開園することを20日、発表した。園内では、移民であふれたボートや、無政府主義たちの訓練キャンプなどを見ることができる。
「ディズマランド(Dismaland)」と呼ばれるこのテーマパークは、英ブリストル(Bristol)に近い海岸の町、ウェストン・スーパー・メア(Weston-super-Mare)にある、現在は使われていない屋外プール施設に設置された期間限定のプロジェクトだ。
ここでは、ディズニーランドの城の焼け焦げたものや、つぶれたかぼちゃの馬車からぶらさがるシンデレラの死体とそれに群がるパパラッチなどが見られるという。
同プロジェクトについてバンクシーは「『テーマパークというものは、さらにでかいテーマ掲げるべき』ということをテーマにしたテーマパークともいえる」との声明を発表した。
スプレーペイント缶、マーカーペン、刃物の持ち込みは禁止されており、また米娯楽大手「ウォルト・ディズニー(Walt Disney)社の法定代理人」の入場もお断りとしている。
同テーマパークでは、バンクシーが自ら選んだイスラエルやパレスチナ、シリアのアーティストたちの作品を見ることができるという。またそのほかにも、英国のダミアン・ハースト(Damien Hirst)氏やベネチア・ビエンナーレ(Venice Biennale)国際美術展で初の女性米国代表となったジェニー・ホルツァー(Jenny Holzer)氏、自宅で労働組合旗を作って40年の年金生活者エド・ホール(Ed Hall)氏などが参加アーティストとして名を連ねている。
地元の町役場では、同プロジェクトを歓迎しており、観光客を再び呼び戻すことができるのではと期待を寄せている。ノース・サマセット(North Somerset)議会のナイジェル・アシュトン(Nigel Ashton)氏は、「いろいろと考えさせられる企画だよ。いくつかのメッセージは受け入れがたいものもあるが、でも真実だ」とコメントした。
同テーマパークは22日~来月27日までの「開園」となっている。期間中は、ロシアの女性パンクバンド「プッシー・ライオット(Pussy Riot)」や英バンド「マッシヴ・アタック(Massive Attack)」などのパフォーマンスもあるという。(c)AFP