【8月21日 AFP】ギリシャのアレクシス・チプラス(Alexis Tsipras)首相は20日、辞意を表明し、総選挙に踏み切る意向を明らかにした。財政緊縮を条件とした大規模な金融支援の受け入れを決めたことに対し、与党内にも反発が広がっていることを受けて、政権基盤を強化する狙いだ。

 アテネ通信社(ANA)は政府筋の話として、総選挙は来月20日に実施される見通しだと報じた。

 チプラス首相は国民向けのテレビ演説で、「間もなく大統領と面会し、私自身と内閣の辞意を伝える」「(1月の首相就任以来)自分が行ってきたあらゆる事柄を国民に示した上で、もう一度、信を問いたい」と述べた。これにより総選挙実施までの政権運営は、暫定政府が担うことになる。

 チプラス首相は7月、欧州などが要求する財政緊縮策への賛否を問う国民投票で反対するよう国民を説得。投票では反対票が上回り、チプラス氏は勝利を宣言したが、その1週間後に開かれたユーロ圏首脳会議では一転して緊縮策の受け入れに応じた。今回の解散・総選挙は、カリスマ性のある若き首相が新たな賭けに出たともいえる。

 新救済策を監督する債権者機関の一つである欧州委員会(European Commission)は、ギリシャの解散総選挙について、過去5年間で3度目となる新たな金融支援が政治的に強化されるだろうとして、歓迎する意向を示している。

 ギリシャで総選挙が行われるのは、今年に入って2回目となる。(c)AFP/Odile DUPERRY with Alex PIGMAN in Brussels