【8月21日 AFP】中国東部の港湾都市、天津（Tianjin）で起きた大規模爆発で、市環境保護当局は20日、事故現場付近の水から最大許容濃度の356倍ものシアン化物が検出されたことを明らかにした。

 天津市環境保護当局によると19日、事故後に立ち入り禁止となっている区域内にある水質検査地点の25か所でシアン化物が検出され、このうち8か所でシアン化物濃度が基準値を超えていた。最も高い地点では濃度が最大許容濃度の356倍に達していたという。

 このほか、立ち入り禁止区域外の検査地点16か所のうち、6か所でもシアン化物が検出されたが、すべて濃度は基準値以下だったという。先に市当局は爆発現場の中心にあった倉庫から許容濃度の28倍のシアン化物が検出されたと発表しているが、これから濃度の値が著しく増加した理由について、環境保護当局は説明していない。

 12日深夜に有害物質を保管していた倉庫で起きた爆発では巨大な火柱があがり付近が炎上。これまでに少なくとも114人が死亡し、依然として60人以上が行方不明になっている。また収容された遺体のうち7人は身元が分かっていない。当局によれば、事故現場には猛毒のシアン化ナトリウムが約700トン保管されていた。(c)AFP