【8月18日 AFP】ロシアで遺体と一緒に「自分撮り(セルフィー)」をした画像の投稿を呼び掛けたインターネット・サイトについて、警察が調査を開始した。同警察が17日、AFPに対して明らかにした。同サイトでは、優勝者に賞金も用意していたという。

 露北部の都市、スィクティフカル(Syktyvkar)の警察は、ロシアで人気の高いソーシャルネットワーク「VK」上で運営されている「遺体と一緒に自分撮り」と称するコミュニティーサイトに対し、調査を開始したと発表した。

 同サイトの管理者らは最も良く撮れたセルフィーに対し、1000~5000ルーブル(約1900~9500円)の賞金を約束していた。また撮影者に対し、故人は「より良い場所に旅立った」と考えて笑顔で自分撮りを行うよう求めていた。同サイトは葬儀場で遺体と並んでポーズをとる人たちの画像であふれ、17日朝の時点でも閲覧可能な状態だった。

 現在約500人のメンバーがいるとされるこのコミュニティーが警察の注意を引いたのは、同市で交通事故のため死亡した少女(13)の遺体と一緒に写したセルフィーの中で最良の1枚に、現金5000ルーブル(約9500円)を賞金として授与することを管理人が発表したことがきっかけだったという。

 同市警察の報道官はAFPに対し「これらの報告をめぐる状況の解明に取り組んでおり、この件の背後にいる人物が個人か集団かの特定を急いでいる」と述べたが、捜査はまだ初期段階にあるため、同サイトの管理者らが遭遇する可能性のある法的影響については詳細を語れないとしている。

「疑わしい活動」を行っているとして現在、プロフィールが閲覧できなくなっている同サイトの管理人、アルフレッド・ポリャコフ(Alfred Polyakov)氏に対し、あるサイト関係者を介してAFPが直接接触したところ、電話インタビューに応じた同氏は自らについて、ウクライナで分離独立派が制圧している東部ドネツク(Donetsk)出身の28歳の大学教授だと語った。遺体とのセルフィーを投稿するサイトは、1か月前に立ち上げたという。同氏は「死に対する人びとの態度を変えるために作ったコミュニティー。死は新たな人生の始まりだ」と述べた。同氏が実名を使っているのかどうかは確認できなかった。(c)AFP