中国の第2次大戦映画、歴史歪曲と非難集中
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【8月18日 AFP】中国の新作映画が、第2次世界大戦(World War II)中のカイロ(Cairo)会談に出席していなかった中国文化大革命の指導者、毛沢東(Mao Zedong)を、同会談で重要な役割を果たした人物として描いたことで、史実を脚色しているとの批判がソーシャルメディア上で相次いで上がっている。
この新作映画『カイロ宣言(The Cairo Declaration)』は、中国政府による日本降伏70年記念の各種行事の一環として、中国人民解放軍の関連企業が制作した。
米国、英国、中国の代表らは1943年11月、アジアに対する戦後の方針を策定するためにエジプトの首都カイロで会談し、戦前に日本に割譲された領土は中国に返還されるべきだという決定を下した。
しかし、映画の予告編とポスターに、熱弁を振るったり遠くを見つめたりする毛沢東が登場したことに、ソーシャルメディアのユーザーや国営メディアが反発。ネットユーザーからは、毛沢東はカイロ会談に参加していなかったと指摘する声が上がった。
カイロ会談に参加していたのは、中華民国の中国国民党の指導者、蒋介石(Chiang Kai-shek)だった。蒋介石は後に国共内戦で毛沢東率いる中国共産党軍に敗れた。
あるユーザーは「カイロ会談における私の貢献がこの映画で認められていないのは遺憾だ」と、ジョークを飛ばしている。また、「毛沢東にはカイロ会談に出席させておけばいい。どうせ私たちの他の歴史も事実ではないのだから」と、うんざりしたような感想を書き込んでいるユーザーもいる。
中国共産党と密接なつながりを持つタブロイド紙・環球時報(Global Times)は、文化評論家の話として、「蒋介石を排除し、会談に出席していなかった毛沢東を主役にしたポスターは、歴史にも毛沢東自身にも敬意を払っていない」と報道。さらに論説で、この映画の宣伝素材に毛沢東を使うのは「不適切」だと指摘している。(c)AFP