【8月17日 AFP】独日刊紙ウェルト（Die Welt）は16日、欧州サッカー連盟（UEFA）のミシェル・プラティニ（Michel Platini）会長を否定する記事が掲載され、その黒幕は国際サッカー連盟（FIFA）のジョセフ・ゼップ・ブラッター（Joseph Sepp Blatter）会長だったと伝えた。

 79歳のブラッター会長はすでに退任が決まっており、その後継者を決めるために実施される来年2月の次期会長選では、60歳のプラティニ氏が大本命とされている。しかし、両者の間には現在、確執が生まれている。

 問題の記事は、スイスの記者トーマス・レングリ（Thomas Renggli）氏が書いたもので、「プラティニ：クローゼットの骸骨（知られたくない過去の恥ずべき秘密）」というタイトルがつけられている。

 この記事はまずスイスの新聞紙に掲載され、見栄えのしないプラティニ氏の絵もそえられているという。

 ウェルト紙は、「驚くべきは記事の内容よりも、その情報源だ。情報はチューリヒ（Zurich）にあるFIFAの本部から直接複数の新聞社に送付された。―著者は記されておらず、情報の転載を求めるものだった」と伝えている。

「かつての友人で、次期会長選の本命に挙げられているプラティニ氏に歯止めをかけるために、ブラッター会長自身がこの記事をオーダーしたとされている」

 UEFAのジャンニ・インファンティーノ（Gianni Infantino）事務局長は、FIFAのジェローム・バルク（Jerome Valcke）事務局長に書簡を送り、この問題の調査を求めている。

 この書簡のコピーは、FIFAの独立倫理委員会と監査・コンプライアンス委員会にも送付されている。

 プラティニ氏との新たな対立が浮上するなか、ブラッター会長は15日、オランダの新聞「フォルクスクラント（Volkskrant）」に対し、実兄がプラティニ氏から警告を受けていたことを明らかにしている。

 ブラッター会長によると、プラティニ氏は5月に会長選が実施された総会の場で同会長の兄に対し、「会長選から撤退するようゼップに言え。彼は刑務所へ入ることになるぞ」と警告したとしている。

 しかし、プラティニ氏の関係者はAFPの取材に対し、「でたらめ」だとしてその主張を一蹴している。(c)AFP