【8月14日 AFP】サーファーやダイバーがサメに襲われる事件が相次いでいるオーストラリア東部ニューサウスウェールズ(New South Wales)州当局は14日、沿岸の監視とホホジロザメへのICタグ取り付けを強化する方針を明らかにした。ただ、サメの駆除は行わないとしている。

 同州沿岸ではサメの襲撃が相次いでおり、今年2月にはサーフィン中の日本人男性が死亡する事故も起きている。こうした中、シドニーから北におよそ750キロ離れた観光地バリナ(Ballina)の人々は、観光客が激減したとして州政府に支援を要請していた。

 州政府のニール・ブレア(Niall Blair)第一次産業相が発表した対策は、25万豪ドル(約2300万円)を投じてサメの監視やタグ取り付け、追跡調査を強化するというもの。世界に名だたるサメ専門家らを招き、夏の観光シーズンに備えて対策を進めるという。

 ただし、ブレア氏の報道官がAFPに説明したところによれば、サメの駆除は行わない。海水浴客の近くにサメが近寄らないよう柵を設けるなど、サメを傷つけずに襲撃リスクを低める方針だという。

 ホホジロザメは生息数が激減し、保護種に指定されている。(c)AFP