天津の大爆発、中国の安全基準に再び疑問符
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【8月14日 AFP】中国北部の港湾都市・天津(Tianjin)で12日深夜に発生した爆発事故は、その詳細に関する説明の不足から、同国の安全基準に対する疑念をさらに強めている。国内の活動家らは、安全規則の軽視や徹底不足により、人命が犠牲となっていると指摘している。
世界最大の貿易国の主要港で発生した事故では、危険化学物質の保管倉庫で大規模な爆発が相次いで発生し、少なくとも50人が死亡、700人以上が負傷。現場では多数の輸入車が炎上し、コンテナが散乱、中国指折りの工業地帯が壊滅的な被害を受けた。
爆発の原因について、当局は説明できずにいる。天津市浜海新区(Binhai New District)の張勇(Zhang Yong)区長は記者会見で、「爆発前、地元住民が火災を見つけ、通報した」「消防隊が現場にかけつけた時に始めて爆発が起きた」とのみ述べた。
「中国の労働現場には明らかに、真の安全文化がない」。香港(Hong Kong)に拠点を置く労働権利保護団体、中国労工通報(China Labour Bulletin、CLB)のジェフリー・クロソール(Geoffrey Crothall)氏はこう語る。
わずか1年前には、上海(Shanghai)に近い江蘇(Jiangsu)省昆山(Kunshan)の自動車部品工場で、146人が死亡する爆発事故が起きたと、同氏は指摘。「労働現場での安全に関する規則はたくさんあるが、順守されていないことが問題だ」と語った。
統計的に見れば、ある程度の改善もみられる。国家安全生産監督管理総局(State Administration of Work Safety)の統計によると、今年1~6月の労働災害は13万9000件で、死者は2万6000人。前年同期比で、それぞれ7.5%と5.5%の減少となった。
中国が世界最大の生産国となっている石炭部門では、大幅な改善がみられる。労働安全当局は3月、昨年の炭鉱事故による死者数は931人だったと発表した。クロソール氏によると、10年前は6000~7000人だった数字がこれだけ改善されたのは、多くの小規模炭鉱が閉鎖されて、業界の整理統合が行われた結果だという。