アルカイダ指導者、タリバン新指導者への忠誠を表明
このニュースをシェア
【8月14日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の最高指導者アイマン・ザワヒリ(Ayman al-Zawahiri)容疑者は13日、アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)の新たな最高指導者となったアクタル・マンスール(Akhtar Mansour)師に対する忠誠を表明した。マンスール師は現在タリバン指導者の地位をめぐり、苦境に立たされている。
約20年にわたってタリバンを率い、先月死亡が確認されたオマル師(Mullah Omar)が、自身の右腕として信頼を置いていたマンスール師は、タリバンで内部分裂が広がり、アフガニスタンに切り込みつつあるイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」台頭の脅威に直面する中で、かじ取りを迫られている。一方アルカイダも、シリアとイラクの大部分を掌握したISと、世界のイスラム過激派組織の中での優位性をめぐり、しのぎを削っている。
ザワヒリ容疑者は声明で、2011年にパキスタンで米特殊部隊によって殺害された前指導者のウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者に言及し、「ビンラディン師と殉教したその兄弟らがオマル師に忠誠を誓っていたように、私はアルカイダの指導者として(マンスール師に対し)われわれの忠誠を誓う」と述べた。また、タリバンがアフガニスタンで樹立した「イスラム首長国」以外に「世界で正統な首長国はない」と主張している。
ザワヒリ容疑者は現在、アフガニスタンとパキスタンの国境付近に潜伏しているとみられている。今回の忠誠表明は、同容疑者の音声を録音したもの。音声にはまずオマル師に忠誠を誓うビンラディン容疑者の画像をまとめた動画が重ねられ、映像はその後ザワヒリ容疑者の写真に切り替わっている。
マンスール師のタリバン指導者就任をめぐっては、オマル師の息子や弟をはじめとする幹部の一部が忠誠宣誓を拒否するなど、組織内部で亀裂が生まれている。タリバンのザビフラ・ムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官はAFPに対し、ザワヒリ容疑者がマンスール師に忠誠を誓ったことは把握しているとしながらも、「それについては今後対応する…今はコメントしかねる」と伝えた。(c)AFP/Mohamed Hasni